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第0章 姫の逃亡劇(1)

【エレン】

「お父様、一体話とは?」

【キース】

「エレン姫や、我々は北の王国・ノールオリゾン国の領地になる事を呑んだ。」

【エレン】

「それは、長年の戦争に我が国が負けたという事でしょうか?」

【キース】

「ああ。」

【キース】

「お前は近郊の村、リーフィ村へ逃げるのだ。」

【エレン】

「そんなお父様、私はシュヴァルツ王国の姫として生きたいです。」

【キース】

「エレン姫、お前は生き延びて欲しい。それがせめてもの父の願いだ。」

【フェイ】

「エレン姫様、さあ行きましょう。」

【エレン】

「フェイ・ローレンス、私はシュヴァルツ王国の姫として――」

【フェイ】

「エレン姫様、我々は再起の為に逃げるのです。王様の志を忘れないように。」


【エレン】

「フー君、私は忘れないよ。戦争で失った物を取り戻す為に戦う勇気を。」

【フェイ】

「エレン、俺はお前と共にある。その事を忘れるな。」

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