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第0章 姫の逃亡劇(6)

【ナレ】

「ノールオリゾン国に滅ぼされたシュヴァルツ王国の王、王女の処刑が行われる。」

【ナレ】

「檻の中に入れられた仮初めの姫――セレナはそっと天上を見た。」

【セレナ】

「この折の中はどうして無表情なのだろう。」

【セレナ】

「今の自分も恐らく無表情なのだろう。」

【セレナ】

「仮初めの姫として自分は壊される。」

【セレナ】

「見せしめのために殺される。」

【セレナ】

「私は何の為に生まれたの?」

【ニコラ】

「セレナ、こっち来い。命令だッ。」

【ニコラ】

「お前を助けに来た。お前を仮初めの姫なんかにはさせねェ。」

【ニコラ】

「親の俺が言うんだ! ほら来い!」

【ニコラ】

「アレック、わりぃ。時間がかかってしまったぜ。」

【アレック】

「遅い、遅い。見張りの兵をどれだけ倒して思っているの?」

【セレナ】

「私、自由?」

【アレック】

「そうだよ。セレナちゃん、君は自由だ。誰にも君の自由を奪わせたりはしない。」

【セレナ】

「自由、嬉しい……。」

【アレック】

「さあ、逃げるよ!」

【ナレ】

「この出来事がやがて大きな波乱を生むだろう。」

【ナレ】

「世界は謳うだろう、呟くだろう。」

【ナレ】

「黒き王国の王女と仮初めの少女がやがて運命を交えると――」

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